すみれ談話室

宝塚歌劇団への “パッション” をひたすら壁打ちするブログ。うちの贔屓は日本一。

雪組「海辺のストルーエンセ」を観てきました

ネタバレに全く配慮しておりません+壁打ちかつ殴り書きですのでOKな方のみどうぞ〜🤗🤗🤗🤗🤗




『龍の宮物語』『冬霞の巴里』と、好み超絶ドストライクの公演が続いていて今一番気になっている宝塚の演出家、指田珠子先生の新作「海辺のストルーエンセ」。
(龍の宮と冬霞はどちらも、今まで観てきた舞台の中で一番好きってくらい好き…!)
こりゃ絶対観に行かないかんばいと張り切って行ってきました〜。

なるべく先入観を持たずに観たかったので、公演に関することは一切調べずに行きましたが、今回に限ってはちょっとくらい調べて行ってもよかったのかもしれない😂劇場でパンフレット買って開くまで、完全にファンタジー作品と思ってました…😂

https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2023/umibenostruensee/info.html

ミュージカル・フォレルスケット
『海辺のストルーエンセ』

めっちゃファンタジーっぽいタイトルじゃないですか?

作品紹介の

北海とバルト海に囲まれた潮騒響く国、女神フレイヤが住まう所・・・

この書き出しの1行でもう「YES!ファンタジー!」してしまっていたのでストルーエンセが実在の人物と知ってまず驚きました。

さておき「海辺のストルーエンセ」の感想です。

想像していた"指田先生っぽい作品"とは違ったな、というのが作品に対する第一印象。(全然悪い意味ではないです)
わたしの思う"指田先生っぽい作品"って、なんと言うかひたすら深い深い物語の底に沈み込んで、舞台上の人物たちの思惑や感情が複雑に絡み合って突き刺さってぶつかり合って息ができない…!みたいなのが続いていく、って感じなんですけど、そういう感じではなく、ちょいちょい「息吸っていいよタイム」があるみたいな…。(単純に予想に反してコメディタッチのシーンが多くあったからそう思ってるのかもしれないけど…😂)

どんよりと重いデンマークの曇り空・寂しくて冷たさを感じる波の音・旧態依然とした王室内の空気感と、「息吸っていいよタイム」のゴージャスでカラッとキラキラしたエンタメ世界の組み合わせがとても違和感があって、その対比が良かった。ダンサーインザダークの脳内ミュージカルシーンみたいな。ミスマッチの妙と言うんでしょうか。しかしラストにかけては怒涛の指田節って感じで「これだよ!これこれ!!!!!」ってなりました。(どれだよ)決闘の伏線ここで回収かーーーーーーっ!!!最高!!!指田先生一生ついてく!!!!

二幕は始まった瞬間に「テニプリ理解wwwwww」ってなりました。確かにテニプリ🤣

あーさ(朝美絢)はめっちゃあーさだった(感想とは)。あーさあっての「息吸っていいよタイム」だなと思いました。今日はメガネかけてたらしい。メガネ姿のストルーエンセ先生も観たかったぜ。

そして愛すみれちゃんがうますぎ。改めてうますぎる。どちらかと言うと良い人役が多い印象だったのでこんな冷酷で黒い悪い役どうなんだろ、って思ってたけどめちゃくちゃすごかった。MVP。

はばまいちゃん(音彩唯)、実在の人物?本物のお姫様VRじゃないの???ってくらい本物のお姫様だった…。あれ本物のお姫様だよね???可愛い!顔が小さい!スタイル良い!そしてめちゃくちゃ声が良い〜!キンキンしてなくて聞きやすいし滑舌も良くてすごく通る声!キャンディーボイスだわ。音彩唯って名前も可愛くて最高。フィナーレのダンスも最高だった〜〜〜〜。あのスリットドレス優勝すぎる。

そしてあがちん(縣千)!蒼穹の昴に続いて、縣はどうしてあんなに傀儡系お世継ぎ王が似合いますか…???モンペにならざるを得ない!!!バカで可愛くてめっちゃ人懐こい大型犬なのに、なんでそうガラス細工のように美しくて繊細で脆いのか…???ううう、ママがヨチヨチしてあげゆ…!!!だから泣かないで…!!!辛そうな顔で笑わないで…!!!
一幕の悪ガキヘアめっちゃ似合ってた!!!歌も安定しててよかったしダンスは言わずもがな。わたしはクリスチャンのモンペなのでフィナーレのあーさとはばまいちゃんのデュエダン&キスシーン観て「カロリーネさん!うちのクリスチャンてゃんとも踊ってあげて!ちゅーしてあげて!」って思いました。

しかし、ストルーエンセという人物は劇薬みたいな人で。端的に言うと劇薬人物が自身の野望のため幼い王と王妃をめちゃくちゃにしてしまったという割としんどい話だった。
ストーリー的にはクリスチャンが王として成長したのが救いなのかな?と思いきや、史実のクリスチャン7世はストルーエンセ処刑後も「名目上の王」だったそうで、別に成長したとかなわけでもないのがしんどくてどう気持ちを落ち着けたらいいのか?ただ利用されて傷つけられて疲弊しただけだった。ストルーエンセのせいでみんな破滅してしまった。しかも対等な相手だったらまあお互い様やなって思えるけど、クリスチャンとカロリーネがめっちゃ子供なんよね。結婚した時17歳と15歳よ?しかもクリスチャンに至ってはめためたに精神を病んでいたと。救いがない…クリスチャンてゃんがただひたすら可哀想でたまらん…。実在の人物なので史実を思うと救いがないな、と思うんだけどこれは宝塚。
ストルーエンセもクリスチャンもカロリーネも、三者三様に「何かになりたかった。正しい何かになりたかった。」んよね。ほんの一瞬でもその「何か」をそれぞれが掴めたから、そこが救いってことよね…。

というわけで、観る前に史実を調べておかなくてやっぱりよかったのかもな、と思いました。